英二の部屋探し 01

「ふぅ、ようやく帰ってきたね」

そんなに大きくはないが、それなりに荷物を詰め込んだボストンバッグをドスッと重い音を立てて床に置き、英二は息をついた。
「お前がマックスに連絡したりするからだろ?オレは明日にしろって言ったのに」

アッシュが少し不機嫌そうに英二を見ながら言う。

(機嫌悪そうだな〜)

英二は内心苦笑しながら宥めるように言い訳した。

「この国に戻って来れたのに、マックスにすぐに連絡しないなんて申し訳ないと思ったんだよ。でも、一目会いたいと言われたのはいいけど、まさかジェシカまで来るなんて思わなかったよ」
「あの“おばさん”、お前のこと気に入ってるから、そりゃ、来るだろ?」

着ていたジーンズの上着を無造作にソファに投げるとアッシュは体を投げ出すようにソファに座った。

「俺は早く帰りたかったのに、“帰国祝い”だとか言って、無理やりバーに連れていきやがって」

室内の明かりに照らされたアッシュのブロンドがきらきらと光るのに目を奪われていた英二だったが、アッシュの『早く帰りたかった』の言葉にはっとしたように言った。

「ごめん。君はまだ病み上がりだったよね。つい、マックスたちに再会できたのが嬉しくて長居しちゃったけど、もっと早く帰ってくればよかったね」

しゅんとして俯き加減に言った英二にアッシュは慌ててバツが悪そうに言った。

「・・・いや、そういう意味じゃない。すまなかった」

アッシュは言葉を切って何か言いたそうに少し言い淀むと、

「・・・・・・オレが早く一緒に帰って来たかっただけだ」

とだけ言うと、ぷいっと横を向いてしまい、テーブルに乗っていた新聞を取るとおもむろに開いて読みだした。

「アッシュ!」

英二は満面の笑みを浮かべるとアッシュの横に勢いよく座った。
はずみでアッシュの体も大きく揺れて、手に持っていた新聞もくしゃっと大きな音を立てた。

「な、なんだよ、急に。なんだ?その気持ち悪い嬉しそうな顔は」

手に持っていた新聞を避けると英二の方に向き直ってアッシュは怪訝な顔で言った。

(『気持ち悪い』とはずいぶんな言い草だけど、ここは年上のぼくが聞き流してあげよう)

英二はアッシュの肩に右腕を回して、アッシュを引き寄せた。

「アッシュ、バドワイザー飲もうぜ!二人でぼく達の再会祝いをしよう!」
「・・・いい考えだな」

アッシュは今度はグリーアイズに優しい光を浮かべると少し微笑んで答えた。

全部書き終わってないけど、えーい、upしちゃえ(><)
そして、最後までいいタイトル思いつかず・・・(^^;)

短いけどキリがいいから、ここまで(^-^)
(2012年6月27日コメントから)

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